No.75 正しい努力は報われやすい

みなさんがリーダーの立場だったら、メンバーからどのように評価してもらったら嬉しいですか?

例えば、スポーツチームの監督だったら?

頑張るけど勝てない、いい監督

厳しいけど、短時間で結果を出す監督

やはり、同じ努力をするのなら、監督としてもメンバーとしても勝って結果を出したいのではないでしょうか?

もし、一生懸命頑張っているのに結果が出ていないとしたら、原因は2つに集約できます。

ひとつ目は努力の量が足りていないこと。

本人は頑張っているつもりでも、相手はもっと頑張っているかもしれません。

では自分ももっと頑張ればいいのか?答えはYesでしょう。

全国大会で優勝した選手の指導者になぜ勝てたのか質問すると、練習したから、という答えが返ってきたといいます。考えてみれば当たり前のことですよね。

とはいえ、1日24時間、人間の体力には限りがありますから、努力の量には限界がありそうですね。

ふたつ目は努力の方法が適切ではないこと。

いくら頑張っても、お門違いのことをやっていては結果は出ません。

野球選手が素振りもしないでストレッチだけやっていても成績は上がらないでしょう。

一生懸命頑張って、努力の量が限界に近づいているとしたら、やり方を見直し、工夫することが不可欠になります。

あなたの努力の方向性は合っているでしょうか?定期的に振り返って点検してみませんか?

No.74 当たり前のレベルを上げる

日々の生活の中で、あなたが当たり前だと思ってやっていることが、他の人の当たり前と違うと感じたことはありませんか?

自分は毎日、夜遅くまで働いて、寝る時間もないような生活なのに、毎日7時間睡眠を確保して、しっかり成果を出している人がいる。

自分は毎朝15分散歩しているが、毎朝10km走っている人もいる。習慣化できない人もいる。

自分は毎月10冊本を読んでいるが、周囲に話したら、なんでそんなにできるの?と感心された。

大前研一氏は、イノベーションを起こす条件として、以下の3つを挙げています。

・付き合う人を変える。

・住む場所(環境)を変える。

・時間の使い方を変える。

まず、容易に変えられるのは、時間の使い方でしょうか。時間の使い方が人生を決めるとも言えます。

住む場所を変えるのはなかなか難しそうですが、リモート、オンラインで世界中の人々とつながれるこの時代では、付き合う人を変えることは比較的容易になっているかもしれません。

自分の収入は友人5人の平均年収で決まる、というような話もあるように、どんな集団、どんな人と付き合うかで、当たり前のレベルが大きく異なります。

学びのために時間とお金を投資するのが当たり前の集団、決めたことを習慣化して最後までやり抜く集団、起業家や執筆家のコミュニティ、何ごとにも前向きなグループ。

自分の当たり前のレベルを意識的に変えていくことも重要ですが、誰と付き合うか、が最も重要な要素かもしれません。

マラソンランナーでいえば、月200kmが当たり前の市民ランナーから、月1,000kmが当たり前の実業団選手では、目指す目標も、達成できる成果も自ずと大きな差があります。

あなたは、自分の当たり前のレベルを上げるために、今日からどんな工夫をしますか?

No.73 ナビをセットして自動操縦する

あなたは時間を忘れて無我夢中で何かに取り組んだ経験はありますか?

そして、そのとき、何かの導かれるように、自分にはすべてが見えていて、次になすべきことが自然にわかるような状態。

これをスポーツや芸術の世界では、ゾーンに入る、とか、フローに入るといいます。

仕事や勉強、遊びの場面でもそうでしょう。ひたすら集中力が高まり、五感が研ぎ澄まされたような状態。プレーする自分とそれを客観的に眺める自分がいる感覚。

このような状態がいつでも再現できたら、もの凄いハイパフォーマーになれるのではないでしょうか?

この再現性を高める方法がイメージトレーニングです。情報の伝達手段には、音声、映像、言語がありますが、成し遂げたい目標を言語化することにより、このイメージが具体化されます。

こうなればしめたもの。日誌やノートに目標やスケジュールを書き出すことで、自分だけのコンシュルジュ、自分だけのマネージャー、自分だけの相棒として、これからなすべきことを示してくれます。

日誌にこき使われる、と表現される経営者の方もおられます。

今日、あなたが無我夢中で取り組みたいことは何ですか?

No.72 北風と太陽

北風と太陽のお話を覚えていますか?

そう、コートを着込んだ旅人を前に、どちらが先に旅人のコートを脱がせることができるか、北風と太陽が競う、あのお話です。

最初に挑んだ北風は、ピューッと冷たい風を吹き付けますが、旅人は一層しっかりとコートに身を包みます。

次に挑んだ太陽は、ポカポカと旅人の体、ひよっとすると心までも暖め、旅人はついにコートを脱ぐのでした。

これまでの社会では、製造業を中心にPDCAサイクルによる改善活動が有効とされてきましたが、使い方を間違えれば、冷たい北風のようにお尻を叩くだけの仕組みにもなりかねません。

現在の、そしてこれからの情報化社会では、工業化社会で有効だったPDCAサイクル的な考え方に加えて、ありたい未来をともに考え、助け合い、励まし合い、尊敬し合う、そんな太陽のような協創の考え方が主流になるのではないでしょうか?

誰も体験したことがない未来に向かって、道を切り拓くためには、多様な考え方やスキルを持つメンバーが強みを持ち寄って協力しあえるチームこそが大きな力を発揮します。

そしてそのようなチームは、まさに、太陽のように眩い輝きを放つことでしょう。

あなたは今日、チームの未来のため、誰を励まし、誰を助けますか?

Supporters who incite their team at the stadium

No.71 予測と準備

あなたは自分を楽観主義者だと思いますか?悲観主義者だと思いますか?

なにごとも、100%白か黒かということはないので、あくまでどちらの傾向が強いか、ということになるでしょう。

楽観主義者だと思っていても、状況によっては悲観的に考えてしまうこともあるかもしれません。

では、良い結果を生むのは、どちらの考え方でしょうか?

実は、真の楽観主義者は、悲観的に最悪の事態を想定して準備を怠らず、やるべきことをやったら天命に任せて楽観的に行動します。

この逆の場合はどうでしょうか?

楽観的にうまくいくことだけを考えて、リスクに備えることなく、最悪の事態に遭遇して悲観的な結果を招く。

こんなことにならないように、100の仕事に200の準備、リスクを見極め、手厚い対策を立てておくこと。すなわち、予測と準備が物事をうまく進めるコツになります。

また、目標達成の過程では、成長曲線は一直線ではなく、結果がでにくい時期もあれば、一時的に後退することもあります。

このような成長曲線の特徴を知り、ある程度の失敗を予め見込んでおくことで、思うように結果につながらない時期を我慢強く乗り越えることができます。

そもそも、失敗なく簡単に達成できるような目標はレベルが低すぎるのであって、モチベーションが湧きにくいものです。

今日あなたは、どんな予測と準備をしますか?

No.70 強みの再現性を高め、弱みの対策を怠らない

あなたにとって、これまでの人生で1番の成功体験は何ですか?2番は?3番は?

それらの体験を思い出し、振り返ると、どんな気持ちになるでしょうか?

誇らしい気持ち、嬉しい気持ち、達成感、自信など、プラスの感情が湧いてくることでしょう。

人生の成功体感を振り返り、その時の心・技・体・生活の状態を分析することで、自身の強みを認識することができます。

同じように、人生でうまくいかなかったことを振り返り、その時の心・技・体・生活の状態を分析することで、自身の弱みを認識することができます。

弱みを知っておくことにより、目標達成までの過程でどのような困難やリスクが待ち受けているかを予測しやすくなります。

一流と言われる人々のパフォーマンスカーブは、高め安定で振れ幅が小さいのに対して、普通の人は、好不調の波が大きくなります。

そこで、自分の成功体験に結びつく強みを発揮する行動の再現性を高め、失敗体験に結びつく弱みに対する対策を複数持っておくことで、普通の人でもパフォーマンスカーブを高め安定に持っていくことができます。

答えはすべて自分の中にある。目標を設定するとき、ものごとがうまくいかないと感じるときには、自身の人生を振り返り、心・技・体・生活の状況を分析してみましょう。

なにか、新しい発見があるかもしれません。

あなたは今日、どんな体験を振り返りますか?

No.69 不調のときこそ真価が問われる

あなたは好不調の波が大きい方ですか?小さい方ですか?

好調のときには何をやってもうまくいくような気がする、不調のときには何をやってもうまくいかないような気がする。そんな感じでしょうか?

実は、一流のハイパフォーマーは、好不調の波が小さく、不調のときでも好調時のハイパフォーマンスに近い状態を維持しているといいます。

歌手や音楽家、ミュージカル俳優など、生のステージに立つアーチストを思い浮かべてみれば、プロフェッショナルは、どんなステージであっても、お金を取れるパフォーマンスを披露します。

これが、素人のレベルになると、不調時にはとことん落ち込み、なかなか抜け出せなかったりするのではないでしょうか?

好調のときはプロにも匹敵するような結果を出せても、不調時の落ち込みが大きいと一発屋で終わってしまい、真のプロフェッショナルとはいえないでしょう。

長距離走やマラソンなどもそうです。本当に強いランナーは調子がよいときはもとより、不調時でも狙ったレースではそこそこの結果を残し、大崩れすることがほとんどありません。

これは、日々のトレーニングに裏打ちされた体力、技術、自信によるところが大きいと考えられます。

練習不足のときには、いったんペースが落ち始めるとそこから立て直すのは容易ではありません。

一方、しっかり練習を積めていれば、落ち込んでも踏ん張れる基礎体力と忍耐力が身につき、いったんペースが落ちても、そこから立て直して、再びペースを上げることさえできます。

このように、一流のハイパフォーマーは普段の心技体生活の鍛錬により、不調時でも踏ん張ることができる力をつけているのです。

好調時はだれでもそこそこの成績を出すことができます。不調のときこそ、如何にしてその落ち込みを押さえ、早く立ち直れるか、その人の真価が問われるのです。

あなたは、不調からいち早く脱するためにどのような努力を続けますか?

No.68 メロスになるか、弥次さん喜多さんになるか

やることが山ほどあるのに、1日だらだらしてしまい、結局何もできなかった。

そんな日はやりきれない気持ちになりますね。

だらだらしてしまう最大の理由は、締め切りを決めていないこと。

重要事項であればあるほど、時間単位、分単位で自分にプレッシャーがかかる程度の締め切りを決めることで、集中力が高まり、だらだらが入り込む余地がなくなります。

時間に余裕があって、到着地まで時速30km/h 程度で車を運転していると、道路脇の様々なものが目に入って、つい寄り道をしたくなります。

ところが、時速80km/hで運転していれば、運転に必要な情報以外は遮断され、脇目もふらずに目的地に到着することができます。

このように、スピードを上げなければ間に合わないくらいの締め切りを設定しておくことで、余分なものに気を取られることなく、集中して作業を進めることができます。

太宰治の短編で友人からの信頼に報いるためにひた走るメロスはまさにこのような状態だったのかもしれません。

弥次喜多道中記の弥次さん、喜多さんは、メロスの対極で寄り道ばかりしていたイメージですが、重要な仕事が終わった後は、そんな時間も大事なリクリエーションになります。

状況に応じてメリハリをつけながら、重要な仕事は詳細な期限を設けて、脇目もふらずにやり遂げる。

あなたは今日、何を終わらせ、何をご褒美にしますか?

No.67 目の前の行動は微分で、振り返りは積分で

イチロー選手のプロ野球選手としての通算打率は3割2分2厘、通算安打数は3604本。

どちらがインパクトが大きいでしょうか?

メジャーリーグでのイチロー選手はスロースターターで、シーズン262本のメジャー新記録を達成した年でも、4月、5月は打率が3割にも満たない状態でした。

イチロー選手であっても、調整の過程や調子の波があり、コンスタントに打率を残すことは難しかったのかもしれません。

一方で、イチロー選手は、打率にこだわるよりも、ヒットを積み重ねることに意識を向けていたとも言われています。

打率は状況により変動しますが、積み重ねたヒットの数が減ることはありません。

打席に立つときには、そこでベストの結果が出せるように、いつものルーティンで集中力を研ぎ澄ませます。

しかし、結果を振り返るときには、積み上げたヒットの数で評価する。

つまり、目の前の行動は、その瞬間がピークになるように集中力の傾き=微分値を最大に高め、行動の結果は、どれだけの量を積み重ねたか、積分値で振り返る。

積み重ねた実績により自己効力感を高めながら、次の戦場に向かっていく、その姿勢が日米通算安打の新記録という偉業につながったのかもしれません。

あなたはこれまでにどんな実績を積み上げ、この次はどこに集中しますか?

No.66 持てる力で目の前にいる人を幸せにする

わらしべ長者のお話をどこまで覚えていますか?

運を授けて欲しいと観音様に願掛けした、何をやってもうまくいかない男のサクセスストーリー。

観音様は、お堂を出た時に初めて手にしたものを大切にして西に向かうように男に告げます。

お堂を出たとたんに転んで手にしたのが一本の藁。そこに飛んできた一匹のアブ。

泣きじゃくる赤ん坊に、藁に結んだアブをあげると、母親がお礼にみかんをくれました。

のどが乾いて苦しがっていたお金持ちのお嬢様にみかんをあげると、お嬢様はお礼に上等な絹の反物をくれました。

通りすがりの一行に倒れた馬と荷物を取り替えようと言われ、死にかけの馬を強引に引き取らされると、懸命に馬を介抱し、馬は元気になりました。

馬を連れて城下町にいくと、馬を気に入った長者が千両で買うと言う。驚いてひっくり返ってしまうと、介抱してくれた長者の娘はみかんをあげた娘。

長者から娘を嫁にもらってくれと言われた男は、藁一本から大長者になったというお話。

わらしべ長者がやったことは、自分がもっているもので目の前の困っている人の課題を解決してあげることでした。

ないものねだりをせず、自分にできる最大限のことを目の前の人にしてあげること。

そのように目の前の人を幸せにするための行動を重ねていくと、天も運も人も味方をしてくれます。

今日あなたは、自分の何を差し出して、目の前の人を幸せにしますか?