No.55 選ぶことは捨てること~やらないことを決める~

やりたいことがたくさんありすぎて、何から手をつけていいかわからない。どれも大切に見えて、ひとつだけに絞ることができない。いままでやってきたことだから、意味があるに違いない。

これを放置していたら、TODOリストが次から次へと長くなっていく。やることを書いた付箋紙の数が増える一方で、全然減らない。ありがちな状況ではないでしょうか?

人間の脳は一度にひとつのことを処理する、シングルタスクが基本なので、マルチタスクで効率よくやっているようにみえても、それは、瞬時に回路を切り替えているだけのこと。

たくさんやることがあると、連続的な思考回路の切り替えや判断のために、処理効率は落ちていきます。

そこで大事なのが、判断や決断という行為です。それも、やらないことを決めることが重要なのです。

さまざまな情報、証拠、ロジックなどの調査結果からどれを選ぶべきかを明確にしていくのが判断、調査結果だけでは優劣をつけがたいときに大所高所から自分自身の感覚や直感で選ぶのが決断。

どれも数ある選択肢の中から自分の行動を選んでいく行為ですが、選ばれなかったものは判断、決断をした時点で捨てているのと同じです。

断捨離。断つ、捨てる、離れる。何かを選ぶときには、これがセットになっているのです。

選ぶことは捨てること。

これを理解していれば、自身の判断、決断をとおして複数の選択肢の中から選ぶことを積み重ねる訓練をすることで、今は何を捨てるべきかが自ずとわかるようになってくるでしょう。

今日、あなたは、何をやめますか?

No.54 暦を味方につける方法

結婚が決まり、挙式の日取りを決めるとき、あなたならどんな日を選びますか?

日本人の多くは大安吉日を選ぶのではないでしょうか?予算重視でそれ以外の日に外したり、招待客の便宜を図って週末を中心に絞り込むかもしれません。

それでは、1年365日、自由に平等に選べる状態だったら、どうでしょうか?

一般的には、選択肢が多すぎると選べなくなるという調査結果があります。

すると、挙式する側はいつにしたらよいか決められず、式場側は閑散期と繁忙期の区別がつかず、息を抜く暇もなく疲弊してしまうかもしれません。

結婚式以外にも、家を建てる日、種を蒔く日、収穫する日、引っ越しする日などなど、多くのことを暦を確認しながら行動していないでしょうか?

その結果、貴重な大安の日に間に合うようにことを運んだり、タイミングが合わないときはしばし休息の時間にしたり、生活にメリハリがつき、リズムが生まれてきます。

特に、人は欲求を満たすことよりも身の危険を回避する行動を優先させるので、やらないリスクを回避した結果、行動が促されるという側面があります。

得をしたいという感情よりも、損をしたくないという感情が強く働くのです。

太陽暦、太陰暦、六曜、西洋占星術、東洋氣学、さまざまな暦に類するものがありますが、その信ぴょう性は別にして、この日を逃したら損をする、という感情が行動を促すと考えると、どんな暦であれ、信じることで救われる、ということになりそうです。

必ずいつかはやらなければならないことがあるならば、次のお日柄がよい日を選んで行動し、機会損失を避ける。

何から手をつけていいかわからず、行動を起こせないとき、お気に入りの暦に背中を押してもらうのも一つの方法かもしれません。

ここで気をつけなければいけないのは、暦は使うものであり、暦に使われてはならないということ。

歴史上の重要人物が失脚する裏には、暦や占いの類に依存しすぎて、自分で決断、判断をすることをおろそかにしてしまったという事例が数多あるようです。

今日は新たなスタートに適していると言われる新月。

あなたは、今日、何をスタートさせますか?

No.53 具体的な目標が具体的な結果を生む

なかなか思い描いた夢や目標に到達できない。やりたいことが思うように進まない。そんな感覚を持つことはありませんか?

そんなときは、描いている夢や目標が漠然としすぎているのかもしれません。

何故漠然としているのか?経験がないから想像がつかないのか?描き方が足らないのか?

経験がないなら、自分もこうなりたい、という、うまくいっている人を見つけて、なりたい姿を描いてみるとよいでしょう。

イメージが湧きやすいように、まずは、身近なところから見つけてみましょう。

描き方が足りないとしたら、自分と向き合うために、落ち着いた環境や時間を確保してみるとよいでしょう。

お気に入りのカフェや図書館など、ほどよく静かで落ち着けるところ。それでいて、眼の前のことに集中せざるを得ない環境を見つけてみましょう。

それでも描けないとしたら、漠然としたイメージを遠くに見据えながら、もう少し手前、とりあえずここまでいってみようという目標を描いてみましょう。

3年後が描けなければ1年後、1年後が描けなければ6ヶ月後、6ヶ月後が描けなければ3ヶ月後、1ヶ月後、1週間後、明日。

遠くから近くへ、近くから遠くへ視点を移動させながら、イメージを固めていくのもいいでしょう。

眼の前の課題に一生懸命取り組んで、はっきり見える近くの標(しるべ)を目指して進んでいくうちに、やがて、遠くにぼんやり見えていた夢や目標、本当の目的が鮮明に見えてくることもあります。

目的、目標がぼんやりしたままでは、思考も行動も結果もぼんやりしたものになります。

ボウリングのプロは、ボウリングのピンを見て投球するのではなく、手前に見えるスパットと呼ばれるマークに寸分の狂いもなくボールを通していくことで確実にピンを狙っていきます。

最高のスコアを作るために、どのコースにどのような球筋で投げるのか戦略を練り、一投ごとに目的を明確にします。

同じように、ぼんやりとした遠くの目的、目標を視界にいれておおよその方向を定めながら、はっきりした目先の目標に集中していくのです。

目先の目標、具体的な目標は具体的な思考を生み、それが具体的な行動の原動力になり、具体的な結果につながります。

今日、あなたは、将来の夢や目標に向かって、どんな一歩を踏み出しますか?

No.52 勝者のメンタリティ~失敗を成長の糧にする3ステップ~

なにかに挑戦して失敗してしまった時、うまくいかなかった時、どのように対処していますか?

落ち込みますか?悔しがりますか?苦笑いしてしまいますか?照れ笑いでごまかしますか?

プロゴルフの世界では、ショットやパットを失敗した後の行動が一流選手とそれ以外の選手で異なるといいます。

タイガー・ウッズは、パットを外すと本気で悔しがり、こんなはずではない、自分はこんなものではない、もう一度やり直せるならどうするか?と思考して、修正をかけてくるそうです。

一方で、一流までいかないゴルファーは、パットを外したときにへらへらしてしまい、照れ笑いでごまかしてしまいます。体裁を取り繕っているけれども、これでは失敗と同化してしまいます。

成長につながる失敗との向き合い方は以下の3ステップ。

1.本気で悔しがる:失敗した自分を受け入れない。わたしは失敗しないので。

2.改善行動をイメージし、言語化する:失敗した事実と向き合い、もう一度やり直せるならどうするかと自分に問いかけ、言語化する。時間を巻き戻し、どんな手段でも使えるとしたら、次はどうするだろうか?

3.すぐに行動、実践する:言語化してすぐに行動することで、決めたことを実行することが習慣化されていく。これをやらないと決めたけどやらないことが習慣化してしまい、成長が止まる。

この3ステップを超速で回していくことが失敗を糧に成長するためのコツ。これが勝者のメンタリティ。

日頃から正しい努力を積んでいること、思考、行動と結果をしっかり振り返り、自分と向き合うことが土台になり、そこに勝者のメンタリティが加われば、逆風をものともしない強靭な習慣が身につきます。

今日、あなたは、どんな改善行動を実践しますか?

No.51 正解になるまでやり抜くだけ

うまくいくかどうかを考えて、勝算を得られるまで行動しない。勝てる戦(いくさ)しかしない。このようなやり方で何が達成できるでしょうか?

今は、工業化社会から情報化社会に移行し、正解のない世界、あるいは、正解が無限にある世界が眼の前に広がっています。

唯一の正解を求めて時間を費やしているうちに、社会は日進月歩どころか、70億の人類によって秒進分歩で進化していきます。

こんな社会では、正解を探しにいくことよりも、思いを持って始めたものをどうやって正解にするかを考え、そして正解になるまでやり抜くことが、ことの成否を決定すると言っても過言ではありません。

思いを込めて前に進み、結果を出す。うまくいかないことがあったとしても、それは経験をひとつ積み重ねただけ。改善を重ねて、うまくいくまでやり抜けるかどうか。

イーロン・マスクが主導するスペースXの取り組みなども発明、イノベーションの在り方をダイナミックに示しています。

失敗を許容する文化が根付いているか、有限のリソース、つまり時間とお金をどう配分するかということも関係しますが、うまくいっている人は思いが先にあります。

一方、短い生涯の中で日本の未来に大きな影響を与えた吉田松陰は、

「かくすればかくなるものと知りながら、已むに已まれぬ大和魂」

との言葉を残し、どんな結果が待っているか予想はついても、そこに突き進むしかない。そんな思いが時空を超えて、明治維新以降、偉人の系譜が現代にも受け継がれています。

メタルと可愛いの融合と卓越した楽曲とスキルで世界を席巻するベビーメタルも、正解になるまでやり抜いた好例と言えるでしょう。

どんな選択にも唯一の正解はない。選んだ道を正解になるまでやり抜くだけ。

今日、あなたは、已むに已まれず、何をやり抜きますか?

No.50 太陽が昇るから夜が開ける

太陽は夜が明けるのを待って昇るのではない。太陽が昇るから夜が開けるのだ。

教育会の国宝と呼ばれた東井義雄さんのことばです。

誰かがやってくれるだろう、ではなく、その誰かに自分がなってみる。

他者の太陽にはなれなくても、せめて自分自身の太陽になる。

自分の人生を切り拓くことができるのは自分だけです。待っていても夜明けは来ない。

本当の人生の夜明けは、自分のことを照らす太陽になったときに訪れるのかもしれません。

長い人生の道中では、誰かの力を必要とする場面も訪れることでしょう。

そんなときに素直に人に頼れる人は、苦しい状況を抜け出したあとに、今度は別のだれかの太陽になることができる人ではないでしょうか?

NHKの人生という名のコント、LIFEでは、梅雨入り坊やの舞いとともに梅雨に入り、梅雨明け太夫の大見得とともに梅雨が開けます。

自分で自分の人生を切り拓く第一歩として、まずは、自分自身の太陽になってみてはどうでしょうか?

今日、あなたは、誰の人生を照らしてあげますか?

No.49 恕(ゆる)しが未来を切り拓く

耐え難い仕打ちを受けた時、理不尽な災難に見舞われた時、どんな感情が沸き起こるでしょうか?

怒りでしょうか?憎しみでしょうか?あきらめでしょうか?負けてたまるかという反骨精神でしょうか?仕返しを誓うでしょうか?

怒りや憎しみには大きなエネルギーがあります。これをバネに頑張ることもできるでしょう。仇討ちに生きる意味を見出すような時代もあったかもしれません。

しかし、このような方法で、持続的に、前向きに未来を創っていくことができるでしょうか?

一抹の虚しさを感じて、後には何も残らず、時間だけが過ぎてしまった。そんな結果にならないでしょうか?

こんな時、持続的な推進力、大きなパワーになるのは恕(ゆる)すことです。

”ゆるす”には3種類の表現があるそうです。

許す:何かをすることを認める、許可する。

赦す:罪を赦す。

恕す:すべてを恕す。

「恕」は、人の言うことに柔和に従う意味の ”如”と”心”が一つになった漢字です。

「一切を許容して進歩向上せしめんとする心」という、「仁」に近い意味があります。

この、恕す心で奇跡的な復興を遂げたのが原爆の被害を受けたヒロシマでした。

焼け跡で子どもたちに振る舞われた一銭洋食から生まれたお好み焼き。国内唯一の市民球団となった広島カープの創設。

多くの悲しみに打ちひしがれる状況の中、敵国への恨みよりも恕しを選択し、未来を創り上げていったのは、戦火を生き抜いた母たちの無償の愛でした。

恨み続けることで時を止めて立ち止まることなく、恕すことで時計を進め、前を向いて前進し続けることが奇跡の復興の原動力となったのです。

孔子も「人生で一番大切なことは、恕」=思いやりの心だと言っています。

辛いことを嘆く人生ではなく、有り難いことに感謝する人生。

富の中から分かち合うのではなく、無いものを分かち合う人生。

これからの未来に生きる子どもたちに伝えていきたい心です。

あなたは今日、誰を恕しますか?

concept of peace and international unity

No.48 頼る人から頼れる人、そして可愛がられる人へ

組織やコミュニティの中で自分の思うようにいかないことがあると、どうして○○はXXしてくれないのか?○○がXXしてくれればうまくいくのに!と他者の対応に不満を持つことはありませんか?

自分は精一杯やっているのに家族や仲間が協力してくれない。会社や上司、同僚のために一生懸命働いているのに、自分のためには何もしてくれない。

こんな思考が目立つようになったら要注意です。自分にとっての支援者、協力者であっても、他者を自分の思いどおりにコントロールすることはできません。

芸能人格付けチェックで前人未到の65連勝を達成した、歌手で俳優のGACKTは、自身の著書の中で、可愛がられる人になることが成功の秘訣、と説いています。

可愛がられる人になるためには、人が嫌がることでも率先して引き受けて、自分から行動することを求められます。

これは大変なようですが、自分でコントロールできることとできないことに区別して考えると、取り組む価値のある人生の指針と言えそうです。

自分の課題を他者にどう解決してもらうか、という依存の思考から、他者の課題を自分の強みを活かしてどう解決していくか、という自立の思考に切り替えることによって、自分でコントロールできることが増え、日々の活動が楽になるのです。

他者を動かすことよりも、自分を動かすことのほうが楽なのです。そして、相手に可愛がられるようになる頃には、あなたの行動が相手に影響を与えて、結果的に相手を変えているのです。

頼る人から頼れる人、そして可愛がられる人になることで、人生は益々豊かになるでしょう。

今日あなたは、誰の課題を解決してあげますか?

No.47 ドラえもんのポケット

やりたいことがたくさんあり、それを効率的にこなすために、時短のためのテクニックをたくさん勉強し始め、そのためにさらに時間が圧迫され、どれも中途半端になってしまう。

そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

大きな壁を突破しようというときには、あらゆる手段を使って立ち向かうことも必要です。

いろいろなことに挑戦してみるのもいいでしょう。

ただ、知識として持っているだけではなく、学習だけで終わらせることなく、少しでもいいので、実践をしてみることが重要です。

実践してみて、自分が考えていた目的には合っていない、期待していた成果が得られそうもない、と思ったら、その時点で他の手段に切り替えてみる。

それは決して失敗ではなく、うまくいかない方法をひとつ見つけただけです。それを積み重ねて、ついに電球のフィラメントを発明したのがトーマス・エジソンです。

いろいろな方法を試す、発散させる段階を経て、そこから収束させて、一番よい方法を反復連打していくことで、太陽の光をレンズで絞るがごとく、大きなパワーを生み出すことができます。

一方で、そのときはうまくいかなかった方法も、自分の知識の棚にしまっておくことで、本当に必要になったときに引き出すことができます。

選びぬいたひとつの技を誰にも真似のできないレベルまで磨いていく戦略もあれば、たくさんのパターンを習得して、必要な時に必要なものを繰り出す技のデパートとなって戦う戦略もあるでしょう。

ドラえもんは、のび太くんが困っている時、のび太くんに泣きつかれた時に、その状況に対処するための的確な道具をチョイスします。たまにドジを踏むこともありますが。

このように、たくさんのノウハウを習得して、必要なときに必要なものをとりだせるようにしておくことも有効な戦略です。

いや、習得していなくても、どんな場面で何が役に立つかを知っておくことで、必要になった時に最後まで習得するくらいに考えていてもよいかもしれません。

さまざまな種類の鋼を準備しておき、必要なときに必要な鋼を鍛錬する。

今日あなたは、どの鋼を取り出して、鍛錬していきますか?

No.46 大きな目標を描く

うまくいく人はできるかどうかではなく、やりたいかどうかで考える。そうはいっても、自分が本当は何がやりたいのか、目標が定まらない。そんなときもあるでしょう。

高度成長期は工業化社会だったので、目の前のことを一生懸命やり、スキルを磨いていけば、収入は上がり、自分だけの技能が身につき、生活も豊かになっていきました。

この時代には、個々人の将来の目標というものをそれほど意識しなくても、そこそこの充実感が得られていたのではないでしょうか?

しかし、インターネット普及後の情報化社会では、どうやるかよりも何をやるか、そして、それを何のためにやるのか、課題発見や目標設定の能力が今まで以上に求められるようになってきました。

大きな業績を残してきた人の人生を調べてみると、会社を倒産させた、牢獄に入れられた、大病を患った、などの共通点が見えてくるそうです。

その結果、自分と向き合う時間が作られ、自分との会話や内省、内観をとおして、自身の大きな目標や使命に気付き、迷いなく目的、目標に向かう状態が作られたのではないでしょうか?

これを日々の振り返りとして分割して継続するツールが日誌です。

さらに、以下の8つの柱について、自分が生涯に成し遂げたいことをすべて紙に書きだすことで、本当の自分の人生の目的・目標が見えてくるかもしれません。

自分、仕事、健康、趣味、教養、財産、家族、奉仕活動。

その中で心から達成したいいくつかを軸に据えて、長期、中期の目標にしていくことで、自分の進むべき道、使命が明確になっていきます。

また、それぞれの要素をバランスよく膨らませ、成長させていくことが、軸に据えた目的、目標を達成する鍵となります。抜け駆けは許されません。

あなたは今日、どの柱を成長させていきますか?

Instant photo frames with heart on the pink wooden background. Eps 10 vector file.