あなたは「マシュマロ・テスト」のことを知っていますか?
「マシュマロ・テスト」とは、1960年代にスタンフォード大の心理学者、ミシェル・ワルタ博士が考案した、4歳児を対象とした心理テスト。
子どもの自制心、「満足を先延ばしできる能力」を測ることで、将来成功ができるか予測することができるといいます。
「目の前のマシュマロを15分間食べるのを我慢できたら、2個にしてあげる」といって立ち去り、その子が我慢できるのかをみるというシンプルなテストです。
およそ半数の子供たちは目の前のマシュマロを食べてしまいましたが、残りの半数は我慢することができました。
追跡調査の結果によると、16年後のSAT(大学進学適性試験)の成績で大きな差が出てたり、社会的成功をおさめるケースが多かったなど、我慢できた子供たちの能力は我慢できない子供たちより高いという結果になったのです。
この子供たちは、「目の前の欲求を我慢することで、将来の大きな成果を得る」ことを学び、実証したのです。
これと同じような話が日本にもあります。
敗戦により見渡すかぎりの焼け野原となった長岡藩の窮状を知り、三根山藩から米百俵が見舞いとして贈られてきました。
藩士たちはこれで一息つけると喜びましたが、藩の大参事・小林虎三郎は、この百俵の米を売ってしまい、その代金で文武両道に必要な書籍、器具を購入し、国漢学校を設立しました。
「この米を、一日か二日で食いつぶしてあとに何が残るのだ。国がおこるのも、ほろびるのも、まちが栄えるのも、衰えるのも、ことごとく人にある。……この百俵の米をもとにして、学校をたてたいのだ。この百俵は、今でこそただの百俵だが、後年には一万俵になるか、百万俵になるか、はかりしれないものがある。いや、米だわらなどでは、見つもれない尊いものになるのだ。その日ぐらしでは、長岡は立ちあがれないぞ。あたらしい日本はうまれないぞ。……」
結果、米百俵の売却資金で創設された「国漢学校(こっかんがっこう)」は、先進的な教育機関として長岡藩の文明開化に貢献しました。
そして、ここから、海軍の山本五十六元帥を始め、新生日本を背負う多くの人物が輩出されたのです。
教育(ひとづくり)こそ、未来の希望(くにづくり)。
教育(ひとづくり)とは学ぶ個人だけに留まらず、家庭や社会、ひいては天下に至るまで、未来につながる希望となるのです。
古来「身を喰う芸が、身を助く」と言われていますが、とかく学問や経験というものは、身銭を切るほど己が血肉となります。
「たとえメシ一食抜いてでも本を買え(読め)。ひもじい思いは十日の辛抱、それを十年続ければ、お前は必ず、一生メシが喰えるようになる」
あなたは今日、どれだけの身銭を切って学問に励みますか?