No.49 恕(ゆる)しが未来を切り拓く

耐え難い仕打ちを受けた時、理不尽な災難に見舞われた時、どんな感情が沸き起こるでしょうか?

怒りでしょうか?憎しみでしょうか?あきらめでしょうか?負けてたまるかという反骨精神でしょうか?仕返しを誓うでしょうか?

怒りや憎しみには大きなエネルギーがあります。これをバネに頑張ることもできるでしょう。仇討ちに生きる意味を見出すような時代もあったかもしれません。

しかし、このような方法で、持続的に、前向きに未来を創っていくことができるでしょうか?

一抹の虚しさを感じて、後には何も残らず、時間だけが過ぎてしまった。そんな結果にならないでしょうか?

こんな時、持続的な推進力、大きなパワーになるのは恕(ゆる)すことです。

”ゆるす”には3種類の表現があるそうです。

許す:何かをすることを認める、許可する。

赦す:罪を赦す。

恕す:すべてを恕す。

「恕」は、人の言うことに柔和に従う意味の ”如”と”心”が一つになった漢字です。

「一切を許容して進歩向上せしめんとする心」という、「仁」に近い意味があります。

この、恕す心で奇跡的な復興を遂げたのが原爆の被害を受けたヒロシマでした。

焼け跡で子どもたちに振る舞われた一銭洋食から生まれたお好み焼き。国内唯一の市民球団となった広島カープの創設。

多くの悲しみに打ちひしがれる状況の中、敵国への恨みよりも恕しを選択し、未来を創り上げていったのは、戦火を生き抜いた母たちの無償の愛でした。

恨み続けることで時を止めて立ち止まることなく、恕すことで時計を進め、前を向いて前進し続けることが奇跡の復興の原動力となったのです。

孔子も「人生で一番大切なことは、恕」=思いやりの心だと言っています。

辛いことを嘆く人生ではなく、有り難いことに感謝する人生。

富の中から分かち合うのではなく、無いものを分かち合う人生。

これからの未来に生きる子どもたちに伝えていきたい心です。

あなたは今日、誰を恕しますか?

concept of peace and international unity

No.49 恕(ゆる)しが未来を切り拓く」への1件のフィードバック

  1. 富田さん、素晴らしい解説をありがとうございます。
    恕すと言う言葉に出会った時、キセキのヒロシマを描きたいと思いました。
    ヒロシマの恕す心を通じて世界平和を創る子ども達を育てる活動を推進して参ります。
    いつも応援頂き、ありがとうございます✨✨

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