ロンドン、パリ、ニューヨーク、ボストン、ワシントンDC、フランクフルト、世界の美術館を巡ると驚くことがあります。
それは、有名画家の絵がどの美術館にも展示されているということです。一見当たり前のようにも思われますが、これは凄いことです。
ヴィンセント・ファン・ゴッホは、約10年の活動期間の間に、800点を超える油絵を始め、水彩画、素描、版画、スケッチなど、2,100枚以上の作品を残したと言われます。
ゴッホの代表作である、ひまわりや自画像は、有名な美術館でいろいろなバージョンに出会うことができます。
日本でもファンが多い、睡蓮の大作を残した印象派の旗手、クロード・モネも、86年におよぶその生涯のうちに描いた総作品数は2000点以上と言われています。
さらにその上を行くのがご存知パブロ・ピカソです。その作品数は150,000点に迫るとも言われ、最も多作な美術家としてギネスブックにも掲載されています。
ピカソの凄さは作品数だけではなく、生涯を通して新しい作品スタイルを切り拓いていったことです。
最も有名なのはキュビズムと言われる前衛的かつ精巧な表現手法ですが、「青の時代」「ばらの時代」など初期の作品では、素人が見てもキレイだなと思える「ふつうの絵」も非常に巧みに美しく描いています。
いずれの画家も、模写や素描から始まり、大量の作品を生み出す過程で基本がしっかりできているからこそ、新たな作品スタイルへの飽くなき挑戦が可能になったといえるでしょう。
いきなり歴史に残る大作が生まれたりはしません。ひたすら量をこなすことにより、それがいつしか質に転換した結果、時代を超えて称賛される名作が生まれたといってもいいでしょう。
あなたは今日、量をこなすために、どんな姿勢で、何に取り組みますか?